「ラストランを迎えるその時までーケアマネジャーが支える最期の走り」

在宅か施設か?ラストランに向けた選択とケアマネジャーの役割

終末期を迎えようとしている方が入院中。本人が「家に帰りたい」と望む声を聞くと、できる限り叶えてあげたいと思うのは自然なことです。しかし、病院スタッフから「施設なんて可哀想」という声が聞こえてくることもあります。

私の地域はいわゆる山間部。地域包括ケアシステムを掲げていても、ヘルパーが一日に何度も訪問するほどの人手はなく、デイサービスの調整もすぐにはできません。片道30分以上かかる送迎では、体への負担も心配です。すぐに利用できるサービスは福祉用具のレンタルくらいしかありません。家族も高齢の子どもが多く、在宅介護を支えるには限界があります。

こうした状況では、「施設に入ることが可哀想」なのではなく、施設を活用することでより良い最期を迎えられる選択肢もあると考えています。例えば、ユニットケアの個室がある施設なら、ターミナル期に家族が寝泊まりでき、困った時には施設スタッフがすぐに対応できます。体調が安定したタイミングで介護士付き添いのもと自宅への外出を提案することできます。

大切なのは「どこで過ごすか」だけでなく、「どのように過ごすか」。本人の希望を尊重することはもちろんですが、不安を抱える家族のサポートも欠かせません。人材不足の現状では、全てを在宅で叶えることが難しいケースも多く、柔軟な選択肢を提示することがケアマネジャーの役割なのではないでしょうか。

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