100歳の誕生日を迎え、「あやかりたい」と大勢の方から祝福を受けられたご利用者。その姿を見守りながら、このまま穏やかな日々が続きますように、と心から願っていました。
ところが、祈った矢先のモニタリング訪問で、ご利用者が自室から歩いて来られる様子を見て「えっ?どうしたの?」と胸がざわつきました。呼吸は荒く、明らかに辛そう。喉にも腫れがあるとご本人から訴えがありました。
「早いうちに受診をお願いします」とお伝えしましたが、、同居家族は「いつものこと」と受け止めていたご様子。しかし、単なる高齢による体力低下とは違う、強い違和感がありました。
数日後。
病院の地域連携室から「入院になりました」と連絡を受けました。そして告げられたのはーー悪性腫瘍で、すでに進行が早い状態であること。
穏やかな日々を願っていたのに、急な展開。ご家族からはパニック状態のまま電話があり、冬の寒さと積雪の中、ご自宅で過ごすのは難しいとの訴え。ご本人とご家族で話し合いを重ねられ、病院での緩和ケアが選択されました。ご利用者はもちろん自分の病気について説明を受けて理解されたようでした。
カンファレンスでは、ご利用者が私の隣に座られていました。ほんの数分で呼吸が荒くなり、とても苦しそうです。
「お世話になりましたなあ・・・・・」
涙をにじませながらそう声をかけてくださり、私はただ背中をそっとさすることしかできませんでした。
長寿を祝うことがあっても、長生きしたからといって病気の罹患が許されるわけではありません。
長寿であっても、病は無情に訪れる。
その現実を前に、ケアマネジャーとしてできることは気持ちに寄り添うことなのだと改めて感じました。