「家族がもう少し看てあげたらいいのに」「優しく声をかけてあげたらいいのに」
介護の現場にいると、こうした声を耳にすることがあります。けれど、介護の大変さは外側からは見えません。
一見、普通に暮らしているように見える家族にも、それぞれに事情があります。
家族関係が決して良好ではない中で、「看る人がいないから」と言う理由だけで介護を続けている方も少なくありません。
介護をしている人自身が、体調が万全ではないこともあります。それでも代わりがいないため、休むことはできない。
「少しは休みたい」と思っても、休めない。それが現実です。
もう少し介護サービスを利用したいと思っても、経済的な事情から利用できないこともあります。介護は、目にみえる部分だけでも
- 食事
- 排泄
- 着替え
- 入浴
- 受診の付き添い
- 服薬管理
それだけではありません。金銭管理、室温の調整、洗濯、掃除、そして何より「常に気にかけること」やること、考えることは本当にたくさんあります。
仕事をしながら、子育てをしながら、要介護者が複数いるーー。
役割が増えれば増えるほど介護者の負担は確実に大きくなります。
介護は、ひとりで抱え込むものではありません。一緒に介護をする人、役割を分担できる人は、多ければ多いほどよいのです。
もし、介護者との関係が悪かったり、介護をする人自身の体調に不安がある場合は、施設利用を選択肢に入れることも大切な判断です。
「家族だから」「自宅で看るべきだから」そうした言葉だけで、誰かが無理をし続ける必要はありません。
外からは見えない介護の現実に、少しでも思いを寄せてもらえたらと思います。