介護をしていると、理由もなくイライラしてしまうことがあります。「こんなことで怒るなんて、私の心が狭いのだろうか」そうやって自分を責めている介護者の方を、私はたくさん見てきました。
私が担当しているご利用者のうち、半数ほどは介護をしている方自身も高齢です。自分の体の不調や不安を抱えながら、それでも毎日の介護を続けています。
自分のペースで生活できない毎日
出かける用事があるのに起きない。食事もなかなか終わらない。夜は早く横になりたいのに、うたた寝してしまいお風呂が遅くなる。
動作を促しても通じない、出来ない。怒っても仕方ないと分かっていても、つい声を荒げてしまう。
そして、自分のことはいつも後回し。疲れても、交代してくれる人はいない。
この「積み重なった疲れ」が、イライラという形で表に出ることは珍しくありません。
「食欲がない」という介護者からのSOS
先日、ある介護者の方から「昨日から食欲がなくて」と連絡がありました。電話口では、呂律が回っていない状態でした。
受診を勧めても「夫を一人にすると何をするか分からないから出かけられません」と、介護者のあるあるの返答。
説得して受診してもらった結果、即入院となりました。
イライラは「心」ではなく「体」からのサイン
その方は「夫に大声を出してしまう自分が嫌だった」と話しておられました。でも私は、それは性格の問題ではなく、体が限界を知らせていたサインだと思っています。
- 慢性的な疲労
- 睡眠不足
- 栄養不足
- 緊張が抜けない生活
こうした状態が続けば、誰でも心が荒れてしまいます。
介護者が「自分を守る」ためにできる小さな工夫
介護者の体調を守ることは、結果的に介護を続けるための大切な準備です。
私が現場でよく勧めているのは「負担が少ないケア」です。
✅食欲がない時でも口にしやすいもの
- 少量で栄養が取れるスープやプロテイン
- 温かくて胃にやさしい飲み物
介護をしていると、自分の食事はどうしても後回しになります。「作る元気はないけれど、何も口にしないのはつらい」そんな時、温かいスープがあるだけで体が少し楽になります。
食欲不振が続いた時は受診をしましょう。介護者が元気でいることは、わがままではありません。誰かを支えるために、自分の体を守る選択肢があってもいいと思います。まずは、自分のための行動を。