アルツハイマー型認知症の父と同居しています。見た目は元気で、会話もでき、留守番もできる。だから周囲からは「元気なおじいさんで助かるね」と言われることもあります。
でも、実際に一緒に暮らしている家族からすると、その言葉が少し切なく感じることがあります。認知症介護の大変さは、外からはなかなか見えないものですね。
▪️同じ話の繰り返し、説明しても伝わらないもどかしさ
30分ほど会話をしていると、同じ話がまた始まります。「この前話したよ」と言いたくなりますが、いっても無駄。説明、説得は逆効果のこともあります。
デイサービスでお風呂に入ってきたことを忘れて、「ずっと風呂に入ってない!薄情な娘だ」と怒られることも。そんな時は静かに距離を取って、気持ちが落ち着くのを待つようにしています。
▪️食べ物のトラブルは日常茶飯事
冷蔵庫にあった食材がいつの間にかなくなっている。「自分で使ったかな?」と思っていると、父の部屋に食べた形跡が。(ウインナーを生で食べている・・)
仏壇のお供物も全部食べてしまいます。片付けておくと、「我が家は仏様にお供物もしないのか!」と小言が飛ぶ。思わずため息が出ることが、毎日のようにあります。
▪️認知症介護は「薄情者」と思われても続けるしかない
父は、自分が忘れたり勘違いしたりしている自覚はありません。そのため、娘である私は「冷たい」「薄情だ」と思われているようです。残念ですが、それも認知症の症状のひとつ。頭では分かっていても、心身ともにやはり疲れます。
▪️ショートステイが心の支え
ショートステイに行ってくれている間は、ほっと息がつける時間です。「また頑張ろう」と思える大切なリセット期間。自分の時間が持てます。介護を続けるには、家族にも休息が必要だと実感しています。
まとめ
アルツハイマー型認知症の方は、見た目が元気でも、生活の中では様々な困りごとがあります。理解してもらいにくい苦労も多いですが、介護者が無理をしすぎないことが何より大切です。
ショートステイやデイサービスなど、頼れる支援を上手に使いながら、「完璧じゃなくていい」と自分に言い聞かせています。
相談先:認知症の人と家族の会
関連記事 離れて過ごす時間が支えになる