異性介護で避けて通れないのが「排泄」の問題です。息子さんがお母さんを、娘さんがお父さんを介護するーー。そこには、言葉にしづらい“気まずさ”がどうしても生まれます。
今回、息子さんからこのような相談を受けました。「最近、母から尿のにおいがするんです。でも…どう言えばいいのか分からなくて」
とても真面目で優しい息子さんです。だからこそ、傷つけたくない。でも、このままではお母さんの尊厳や健康にも影響が出かねません。
排泄問題は「衛生」だけでなく「尊厳」の問題
年齢を重ねると、『尿漏れ』『トイレが間に合わない』『下着の交換回数が減る』といったことが起こります。
けれど、ご本人は『まだ大丈夫』『まさか自分が』と思っていることも少なくありません。ましてや、息子さんから紙パンツの説明を受けるなんて、想像もしていないでしょう。
紙パンツをどう勧めるか
今回は、とりあえず紙パンツを購入していただきました。息子さんは言います。「母にどう説明したらいいでしょうか。僕からいうのはちょっと…」その気持ちよく分かります。
そこで考えたのが、
「試供品を持ってきましたよ。最近ははき心地もいいみたいです。ちょっと試してみませんか?」
という、“第三者からの提案”という形にする方法です。「あなたが必要だから」ではなく、「最近こういう商品があるんですよ」という情報提供にする。押し付けにならない距離感が大切だと思います。
うまくいかなければ「余計なお世話になる」
介護は善意だけでは進みません。一歩間違えば、相手のプライドを傷つけてしまう。特に排泄は、『恥ずかしさ』『老いの自覚』『自尊心』が絡み合う、とても繊細なテーマです。
だからこそ
- 本人の前でにおいの話をしない
- 「におう」と直接言わない
- 体調や皮膚トラブルの予防という視点で話す
こうした配慮が必要になります。
異性介護だからこその葛藤
もしこれが娘さんだったら。もしこれが同性だったら。少し違ったかもしれません。
でも、現実は息子さんが主介護者。「男だから言いづらい」ではなく、「大切に思っているから言いづらい」のです。
介護は”正解”より”関係性”
私はいま、どうアプローチするのがよいか悩み中です。正解は一つではありません。そのご家庭、その親子関係によって違います。
清潔を保つことは、ご本人の尊厳を守ることでもあります。そっと、自然に、「試してみませんか?」と提案してみようと思います。
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