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送る人「自宅で見送るという選択」ケアマネとして初めて支えた家族の看取り

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病院で最期を迎える方が多い今、「家で見送りたい」という願いを持つご家族に出会いました。ケアマネとして初めて在宅での看取りに関わったとき、“生ききる”ということ”送る”ということの意味をあらためて考えさせられました。

高齢者の支援では、看取りに向き合うことも少なくありません。ある日、母親を自宅で看取ることを決めたご夫婦に出会いました。

病院で最期を迎える方が多い中、ケアマネとして自宅での看取りを支援するのは、これが初めてでした。(介護保険制度が始まってすぐの頃です)息子さんはこう話してくださいました。「知らない人に囲まれて病院の白い天井を見るより、見慣れた家の天井を見ながら、家族に囲まれていた方がきっと安心すると思うんです。」

一方で、息子さんの妻は「姑が弱っていく姿を見守るのは正直怖くて、不安でたまりません。私が看れるのでしょうか。」と打ち明けてくださいました。

訪問診療の先生と看護師は、そんな家族の思いに寄り添いながら、容態の変化や今後の流れを丁寧に説明してくれました。「困ったときは、どんな時間でも、どんなことでも電話してください。すぐに伺いますからね。」そう伝える看護師の言葉に、ご家族の表情が少しずつ和らいでいくのがわかりました。

やがて看取りを終えた後、ご夫婦は静かに語られました。「いろいろ心配もあったけれど、先生や看護師さんが本当に支えてくださって、家で送ることができてよかったです。」

その笑顔には、悲しみの中にも清々しさがありました。自宅での看取りを支えることーーその意味と、私たちの仕事の社会的な意義を、改めて深く感じた出来事でした。

在宅での看取りは、ご家族にとっても支援者にとっても大きな挑戦です。けれど、その過程には「人と人とが支え合う力」が確かにあります。これからも、誰かの”最期の時間”を安心して過ごせるように、そっと寄り添えるケアを続けていきたいーーそう思いました。

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