近頃「NHKクローズアップ現代」」でも排泄ケアが特集されていました。排泄に関する悩みは非常にデリケートで、ご本人・家族・介護職の誰にとっても簡単ではない課題です。ケアマネジャーとして相談を受ける機会も多く、内容はさまざまです。
- ポータブルトイレを使ってほしい
- 紙パンツを使ってほしい
- 紙パンツを使っているのに布団が漏れる
- 便秘、頻尿の悩み
など、排泄に関する相談は尽きません。
▪️大切なのは「本人の生活状況」を丁寧に見ること
排泄ケアで何より重要なのは、利用者本人がどのように生活しているかです。ご家族から「ポータブルトイレを使ってほしい」と希望される場合、まずはその理由を丁寧に伺います。
- 本人が使いたいと思っているのか
- 家族の介護負担を軽くするためなのか
- 夜間のトイレ移動が危ないからなのか
理由を確認せずに導入してしまうと、結局使われず、購入したポータブルトイレが無駄になってしまうことも少なくありません。また、「自室にトイレを置きたくない」という方も多いのが現実です。
▪️本当に必要な支援を見極めるために
排泄ケアの提案には、周囲の都合だけでなく本人の意思と安全をきちんと考える必要があります。そのために以下のような点を細かく確認します。
- 歩行状態
- トイレまでの距離
- トイレに行く頻度
- 夜間の照明は安全か
- ベッドからトイレまでの動線
- 汚物の廃棄は誰がどのように行うか
これらを踏まえ、可能であれば**「できるだけトイレに行ける環境づくり」**を目指します。トイレで排泄できることは、身体機能の維持にもつながり、ご本人の尊厳にも直結するからです。
▪️排泄ケアは簡単ではない。しかし向き合う価値がある。
排泄は誰にとっても非常にプライベートな行為です。だからこそ、課題が大きくても、丁寧なアセスメントと環境調整が欠かせません。ご本人の生活に寄り添いながら、家族の負担も考慮し、必要な支援を一緒に探していく。それがケアマネジャーとしての大切な役割だと感じています。
排泄ケアの問題は簡単に片付けられるものではありません。しかし、ひとつひとつ向き合い、ご本人が望んでいる生活を守るために、丁寧な支援が重要になります。
排泄ケアについては「むつき庵」を検索してみてください。
ポータブルトイレも多機種あります。ケアマネジャーに相談してみてください。