送る人

蓮

高齢者の支援は看取りに向き合うことも多い。母親を自宅で看取ることを決めたご夫婦に出会った。

病院で死を迎える方が多い中、ケアマネとして自宅での看取りを支援するのは初めてだった。

息子さんは、病院の白い天井を見て知らない人に囲まれているよりも、見慣れた自分の家の天井だと安心するし、家族が傍にいると思うと母親も安心するだろうと言う。

息子の妻は、姑が弱って行く姿をどうすることも出来ずに看るのは怖くて不安でたまらないと言う。

訪問診療で主治医と看護師は家族に寄り添い、母親の容態を説明。これからどのように死を迎えるか細かく説明して不安を和らげていた。「困ったときはどんな時間でもどんなことでも電話してください。いつでも訪問します。」看護師はそのように告げた。

看取ったご夫婦と話をした時「いろいろ心配だったが、先生や看護師さんが一生懸命に支えてくれて、家で送れて良かったです。」と清々しさを感じる笑顔だった。

私たちの仕事の社会的意義を考えた初体験だった。

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