「ショートステイの日は、朝から気が重くて…」「行きたくないと言われると、無理に行かせるのが罪悪感で…」
ケアマネジャーとして多くのご相談を受ける中で、ショートステイへの**「拒否」**は、ご家族が真っ先に直面する大きな壁の一つです。住み慣れた家を離れる不安、「わがままが言えないのでは?」という緊張、そして「そのまま施設に入れられるのでは?」という切実な恐怖心。ご本人には、拒否したくなる理由がちゃんとあります。
また、ご家族側も「寂しい思いをさせてかわいそう」と、つい後ろ向きに捉えてしまいがちです。でも、せっかくのリフレッシュの機会。お互いがどんよりした気持ちで過ごすのは、もったいないですよね!今回はネガティブな空気を吹き飛ばす**「ポジティブな声かけ」**のコツをお伝えします。
⒈「家族の安心」を素直に伝える 介護者の負担軽減のために利用する場合「悪いなぁ」と遠慮して理由を曖昧にしていませんか?そんな時は、ストレートに**「お願い」**という形で伝えてみましょう。
・NG:「私たちが大変だから行ってきて」 ・OK:「お父さんが元気で過ごしてくれると、**私たちが本当に安心できるの。**だから、私たちのために協力してほしい」
「厄介払い」ではなく「家族の安心の源」であることを伝えると、ご本人の「役に立ちたい」という自尊心につながります。
⒉「未来のためのリハビリ」と定義する 「いつまでも自宅で過ごしたい」というご本人の願いを逆手に取ったポジティブな提案です。
・声かけ例:「いつまでのこの家で一緒に暮らしたいから、足腰が弱らないようにリハビリに行ってきてほしい。」
施設へ行くことを「隔離」ではなく**「自宅での生活を長く続けるためのトレーニング」**と位置付けることで、前向きな目的が生まれます。
⒊「イベントや変化」を楽しみとして共有する 施設での行事やいつもと違う環境を楽しみとして演出します。
・声かけ例:「◯◯のイベントがあるみたいだよ!帰ったら様子を聞かせてね」
偉そうにコツを書いてしまいましたが、実は私の父も、ショートステイ前には必ず**「泊まりには行かんで」**と宣言します。(笑)父がお世話になっている施設は、デイケアとショートステイが同じ場所。お迎えの車やスタッフも同じです。「今日からお泊まりだよ」と伝えると、「え〜」と不機嫌そうな顔をします。
ところが、いざ迎えのスタッフさんの顔を見るとスタスタと車に乗り込み、あっさり出かけてしまいます。そして帰宅後。
父にとっての数日間は、まるで**「ワープ」**したかのよう。泊まったことをすっかり忘れて帰ってきます。「ワープできるのは、施設が安心できる場所だから」このワープは本人なりの適応能力であり、心の防衛反応でもあると思います。
ショートステイは、単なる「預かり所」ではありません。ご本人が社会との接点を持ち、ご家族が笑顔で介護を続けるための、**大切な「継続の仕組み」**です。まずはご家族が**「安心して、元気にいってらっしゃい!」**と笑顔で送り出せるよう、私たちケアマネジャーもサポートします。
一人で抱え込まず、皆さんのケアマネジャーにご相談ください。