私がケアマネジャーとして勤務している地域は、冬になると積雪があります。
雪が積もれば除雪が必要になり、道路は圧雪され、やがて凍結します。気軽に外出することも難しくなります。
普段は自宅で生活している高齢者にとって、冬は暮らしそのものが大きく変わる季節です。
雪国の冬、自宅で暮らすことの大変さ
冬になると、暖房器具の管理も欠かせません。
こたつやストーブを使いますが、ストーブは灯油が必要です。灯油を配達してもらえても、そこからポリタンクを運び、ストーブに給油する作業は高齢者にとって大きな負担になります。
また、温かい部屋から廊下に出ると急に寒くなり浴室やトイレ、台所との寒暖差も大きくなります。
転倒やヒートショックへの心配もあります。
隣近所の方が除雪を手伝ってくださることもあります。しかし、その援助をしてくださる方も高齢になっています。
地域の助け合いはとてもありがたいものですが、いつまでも同じように支え続けてもらえるとは限りません。
こうした事情から、冬の間だけ老人保健施設や有料老人ホームなどを利用する方も少なくありません。
冬を安全に過ごし、春になったら再び自宅で暮らす。
そのために冬期入所という選択肢があります。
春に自宅に帰るために、施設生活で大切にしたいこと
大切なのは施設に入所している間も自立支援を続けることです。
施設に入ったからといって、何もかも職員にしてもらう生活になってしまっては、体を動かす機会が減ってしまいます。
自分でできることは、できるだけ自分で行う。
歩ける方は歩く機会を持ち、着替えや身の回りのことも、できる範囲で自分で行っていただく。
必要に応じてリハビリを積極的に取り入れ、身体能力の維持や低下の予防に努めます。
また、施設の中で入所者同士が交流したり、通所サービスを利用したりすることで、人と関わる機会を持つことも大切です。
食事、入浴、睡眠などの生活リズムを整え、日々の暮らしにメリハリをつける。
こうした毎日の積み重ねが、春からの在宅生活につながっていきます。
体を動かさず、人との交流も少なくなれば、身体能力だけでなく認知機能にも影響することがあります。
冬の間、時間が止まっているわけではありません。
何もしないまま春を迎えるのではなく、春に自宅へ戻ることを目標に施設での生活を考えていく必要があります。
施設と在宅のケアマネジャー、家族の情報共有
春の退所を見据えた支援では、施設との情報交換も重要になります。
入所前はどのような生活をしていたのか。
自宅では何ができていて、どのようなことに困っていたのか。
施設での生活の中で、身体機能や認知機能、生活動作にどのような変化があったのか。
こうした情報を共有しながら、退所後の生活を具体的に考えていきます。
自宅に戻るのであれば、冬の間にできなくなったことや、新たに必要になった支援がないかも確認しなければなりません。
必要に応じて福祉用具や住宅環境を見直し、通所サービスや訪問サービスなどを調整します。
環境が変わっても、人は新しい生活に適応していく
私は施設に入所されたご利用者が、新しい環境に少しずつ慣れていく姿を見て、驚くことがあります。
住み慣れた自宅を離れ、初めての場所で生活することは、決して簡単なことではありません。
それでも、施設での生活に慣れ、他の入所者さんと交流し、日々の生活リズムを作っていかれる方がいます。
春になり、自宅へ戻る。
施設で過ごした時間も、その方の人生の一部です。
ケアマネジャーとして、ご利用者のこれからの生活を見据えた支援を続けていきたいと思います。

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