夏休みに実家へ帰省される方も多い時期ですね。
久しぶりに親御さんの様子を見て、「古くなった家電を買い替えてあげよう」「使いやすいように家の中を整えよう」と思われる方も多いと思います。
その気持ちは本当に素敵です。
しかし、ケアマネジャーとして多くのご高齢者の方と関わってきた中で、「良かれと思ってしたこと」が、かえって生活しづらくなる場面を何度も見てきました。
今回は、帰省後によく起こる4つのエピソードをご紹介します。
ご飯が炊けなくなった
子ども家族が帰省し、食事の準備をしてくれました。「炊飯器も古くなったから」と最新式の炊飯器をプレゼント。
ところが、子ども家族が帰ってしまってから、ご本人は操作方法がわからず、ご飯が炊けなくなってしまいました。
高齢の方は、長年同じものを使い続けることが多く、買い替える時もできるだけ同じ機種や似た操作のものを選ばれることがあります。
最新機種が必ずしも使いやすいとは限りません。
電気ポットや電子レンジなども同じです。
家電量販店へ一緒に行き、ご本人が使いやすいものを選ぶことが一番大切です。
「えっ、そんな古い機種を選ぶの?」と思っても、使えなければ意味がありません。
お風呂に入れなくなった
古い浴室を見た息子さんが、お母さんのために浴室をリフォームしました。きれいなお風呂になり家族は大喜び。
ところが、ご本人はお湯の沸かし方が分かりません。
結局、一人では入浴できず、タライにお湯を溜めて体を拭くだけの生活になってしまいました。
設備が新しくなっても、使い方がわからなければ生活の質は下がってしまいます。
帰省中に一緒に操作し、「一人でもできる」ことを確認しておくことが大切です。
思わぬところで転倒して骨折
家族みんなで大掃除。
部屋がすっきりして家具の配置も変えました。
ところが、ご本人は長年、家具を手すり代わりにして歩いていました。いつもの癖で手を伸ばした先に家具がなく、そのまま転倒して骨折…。
家具の手垢や擦れた後は、日頃どのように生活しているかを教えてくれるサインです。見た目だけで判断せず、「なぜここに置いてあるのか」を考えてから動かしましょう。
「カバンが盗られた!」
長年使っていた古いカバンを見て、家族が新しいカバンをプレゼント。
ご本人も喜んで受け取りました。
ところが数日後、「カバンが盗られた」と大騒ぎ。
実は、長年愛用していたカバンが見当たらず、「誰かに盗まれた」と思い込んでしまったのです。
せっかくのプレゼントも、本人にとって慣れ親しんだものの安心感には勝てないことがあります。
新しいことに順応する力は少しずつ変化します
年齢を重ねると、新しいものや新しい操作に慣れるまで時間がかかるようになります。
だからこそ、「便利だから」「新しいから」という理由だけで決めるのではなく、実際に使うご本人の気持ちを確認することが何より大切です。
「最近の家電は難しくてついて行けないなあ。」
そんなふうに感じたことはありませんか。もしそう思ったなら、その感覚が親御さんの変化に気づく大切な機会です。
ぜひ、一緒に選び、一緒に使い、一緒に確認する時間を作ってみてください。
そのひと手間が、親御さんの安心した暮らしにつながります。

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